僕のその

「分かるかなぁ？」の問いかけの後、

少し考えた彼は、

うるうるした涙目で

しっかりとこちらを向き、

こんな事を言いました。

「確かに、

進学も就職も全てうまくいったし、

父親と母親から、常に

勉強しないと将来最悪だよ！という状態に

ならずにすんだのは、

自分が正しいと信じ込ませていた

要因だったっと思います。

そして、そのような振る舞いを

しぜんと職場でしてしまい、

だから、周囲から

プライドが高いという風な

評価をされてしまったのだと思います。

また、そうではいけないと

薄々気がついていたのですが、

しかし、プライドが邪魔して

自分を変える事ができませんでした。

だから、高橋さんに

心の中をまるで虫眼鏡で

よく観察されているかのような

的を得た言葉の数々を聞いた時、

正直、どうする事もできなくて、

ただ強い口調で

反論するしかできませんでした・・・」

と、かなり正直な気持ちを

僕にぶつけてきたので、

僕はこれまで以上に、

正面から彼と向き合い、

こんな事を言いました。

「誰だって、自分が正しいと思っているし、

また、そう思いたいというの人の本能。

でもさ、そうではない場面を

大人になる過程でたくさん経験するよね？

思うようにいかない事や理不尽な事など・・・

でもさ、そのような経験をした時に、

自分が正しい！っていう発言をしても、

基本、問題解決にはならない。

だって、それは

自分を軸とした正しいであって、

相手の軸を考えていないから。

しかし、

そこで考えなくてはならないのは、

じゃあ、相手の軸に

従ったらそれでいいのか？というと、

そうではなくて、

大事なのは、自分の軸と相手の軸を

いかにして同じよな軸にするか？って事で、

それって実は、

自分相手の距離を縮めるって事なんだよね。

そして、それをするにはまず、

人にフォーカスした生き方を

する必要があるんだ！」

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