すると、彼が

１分くらい考えた後、

こんな質問をしました。

「人にフォーカスした生き方をする必要って

具体的にはどうゆう事ですか？」

そして僕は、彼が理解できるような

分かりやすい説明を４０秒ほど考えた後、

こんな風に答えました。

「人にフォーカスした生き方って実は、

人に興味を持って生きるって事なんだよね。

例えば、

保育園や幼稚園に通っている子どもは、

入園当初は人にフォーカスできないの。

というか、むしろそんなの知らない。

でも、自分以外の人がいて、

その環境の中で、

自分と相手が

共存しながら生きるっていう意味を

頭で考えるのではなく、

遊びっていう「経験」から学び、

その過程で、自分と相手が

おもちゃを取り合ったり、

おやつを取り合ったりしながら、

何度もケンカを繰り返す中で、

人の気持ちが分かるようになり、

かつ、人に興味を持つようになる。

でも、それでも、まだ、

自分と相手の軸が

どんな風に違っているのか？が、

分からないからさらに成長していく過程で、

ケンカではない、話し合いで

自分と相手の軸を

同じようにしようとする。

それが、人にフォーカスした生き方なんだよね」

すると、「などほど！」と

小さい声で納得した後、彼が、

こんな事を言いました。

「そうだったですね。

確かに、僕は、

これまで理屈ばかりを言って、

きちんと相手と向き合うような関わり方を

してこなかったので、

だから、教員同士の会議の時で、

自分は正しいと思って発言した言葉が理解されず、

肩すかし状態になってしまい、

僕の発言はスルーされてしまっていた・・・

でも、これからは、

きちんと相手と向き合って

本音で発言するようにします。

そしてもちろん、

人にフォーカスする事も忘れませんよ！」

と、さっきまで泣いていたのが

嘘のように元気になった彼は、

まるで春の暖かい心地よい風のような

清々しい表情になりました。

「高橋さん、大学院の入学式から

いきなりの悩み相談、大変だったですね・・・」

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