すると・・・

事情を知った彼が、

「この日本人は本当の事を言ってんのか？

信用していいのか？

もし、嘘だったらぶっ飛ばしてやる！」

というような雰囲気で、僕の全身を

頭から足元までジロジロ見た後にこんな事を言った。

「事情は分かった。

では、鑑定をするから少し待ってろ！」

と、店内にある

革張りの茶色い３人用のソファーを指差され、

そこに座る。

そして、左手にしてあった

ロレックスサブマリーナをゆっくり外すと、

彼の大きな手のひらに「ポンッ」と置いた。

彼が店内のカウンターで

鑑定をはじめると、

さっきより、

少し心に余裕ができてきたのか

「店内の様子はどうなっているのか？」

という事が気になりだす。

なので、

ぐるりと一周、店内を見ると、

そこには、店内をオシャレにするアイテムの

ジュークボックスやビリヤード台がある。

また、

木製で歴史を感じるような店内の壁には、

彼の家族や子ども、そして友人達が

笑顔で写真に写っている。

「まさにアメリカって感じだなぁ」

と感心していると、彼がこんな事を言った。

「コーヒー飲むか？」

僕は、嬉しくもまだ緊張感があってか、

うまく返事ができす、「は、はい・・・」と、

ぎこちない返事をしてしまう。

そして、５分後、

「ここに置いておいたから勝手に持っていけ！」

と言われ、それを取りに

カウンターまで歩いていくと、

そこには、鑑定中の彼と、その奥に

「どんなに立派なドリルでも

絶対に壊せないだろうなぁ」

と、思ってしまうような

重厚な金庫があって、

その両端には大きな棚が２つ。

その２つの棚の中には

資料のような物がいっぱい詰まっていた。

「鑑定するのも勉強が必要なんだなぁ」

と感心した僕は、まだ入れたての

熱いコーヒーで火傷をしないように、

慎重にとっての部分を

右手で持ち座っていたソファーの位置に戻った。

そして、コーヒーを飲みつつ、

店内のジュークボックスから

流れる音楽に耳を傾けた。

その音楽を聴いて

リラックスしてしまった僕は、

「うとうと」してしまった。

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