「俺は３８年間も

会社のために人生捧げてきた・・・

毎日朝早く

７時には自宅を出て、

駅まで歩き、

２０分かけて

ようやく着くと、

毎朝恒例の満員電車。

ハァ〜今日も

これを我慢しなきゃならないのか・・・

そう思い、

肩身の狭い状態のまま、

ただただ、じっと我慢。

そして、４５分かけ

ようやく会社に

一番近い駅に着くと、

そこから、

１５分かけてまた歩く。

また、その間、

今日の仕事の内容を確認するため、

革製の２０年は使っている

黒いビジネスバックを開け、

書類を取り出す。

そして、それを見ながら、

早歩きで会社まで向かう。

もちろん、時間が

ギリギリだったわけじゃない。

ただ、

通常の９時出勤では、

雰囲気的に

遅いっていうような

社内の

空気感みたいのがあって、

だから、仕方なく

毎日そんな調子。

で、会社に着いたら、

今日の仕事の内容を再確認する。

そして、

部下にいろんな指示を出す。

例えば、

誰と誰が

どこの取引先に行って、

誰が誰の

仕事の応援をしろ！みたいに。

で、その指示を出した後に、

ようやく自分の仕事をし始める。

基本、デスクワークが多く、

でも、そんなにパソコンは

詳しくないので、

３年前から通っている

パソコン教室で学んだ知識を

フル活用し、

若い社員に

負けないよう頑張っている。

そして、およそ、

２週間後にある

大きなプロジェクトの資料を作る。

何故かって？

そんなのは決まってる。

早く社長に見せ、

それを自分の手柄にし、

大きなプロジェクトの全てを

任せてもらうため。

だから、時間を忘れて、

１２時になっても

休憩なんかしないで、

定時の１８時まで、

必死になって仕事する。

いや、今思うと、

愛する家族のためにとか、

もうすぐ、定年退職だから、

有終の美を飾ろうとする

気持ちがあったんだと思う。

で、そんなこんなで、

１８時になってようやく

５分間休憩をする。

背伸びをしたり、

首の後ろの部分を揉んだり、

両肩を手で揉んだりと、

そんな風にして・・・

そしてまた、

夜の１０まで仕事を頑張り、

そして、ようやく

仕事に区切りがつくと、

帰る準備をする。

でも、その時には、

すでに誰もいない・・・

すると、彼は、少し話を止め、

水を一口ゆっくりと口に入れると、

ゴクリと喉を鳴らして飲み、

店外の人の流れを見つつ、

深いため息をつき、

右目からは涙がポロリ・・・

３０秒くらい、

そのままの状態。

そして、

一旦気持ちの整理がついたのか、

また、

話を再開したっていう様子から、

次に

さらに深い話をするよ！

っていうような雰囲気だね。

ここから、さらに

見ている人をグッと

惹きつける感じかな？」

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