すると彼は、

「そっかぁだから？」というような

閃きがあったと

思わせるような声で

僕にこんな事を

言いました。

「でも、今の美容室業界は

集客にかなり困っているようで、

だから、どのお店も低価格で

集客しようとしているし、

それがスタンダード化

されてしまうと、

例えば、

１人１０００円で１０分を

一客単価とすると、

あとは数を増やさないと

いけないため、

１０００円で１日の売り上げを

１０万円の目標設定にした場合、

１日に１００も

集客しないといけない。

また、それを可能にするような

新聞広告やネット広告でPRしたり、

１００人の

お客さんを相手にするとなると、

それだけ人件費もかかる。

まぁ、１００人だから

２０人〜３０人は必要かなぁ。

しかも、

そのような大人数なので、

貸店舗の大きさや美容室の内外装への

設備投資と専用駐車場などの

毎月の返済を考えると、

毎月２００万〜３００万以上の

固定費はかかる。

だから、今の美容室業界で

生き残っていくためには

一客単価を上げつつ、

集客数を増やし、

かつ、人をなるべく雇わないで

人件費削減がしたいと考えている。

でも現実は厳しくて

なかなかそう

うまくはいかないから、

チェーン展開している美容師が

どんどん倒産かぁ・・・

だから、

毎日朝早く７時には家を出て、

夜１１時まで仕事をしても、

一向に給料は増えなかったし、

それに、今勤めている

美容室のオーナーは、

高橋がしたような話と

同様の状態になって

しまったのか。

でも・・・

美容師を辞めて

別の仕事なんか

いきなりできないし、

それに、

大学とか行ってないから

再就職だってできにくい・・・

高橋よ、一体どうしたらいいんだ？」

僕はようやく

冷静に話を聞く体制になった彼に

彼がこれまでの人生で

考えもしなかった

ある提案をしました。

「そうだね。とりあえず、

今勤めている美容室が

あと６ヶ月で

倒産してしまうから、

他の美容室の面接を受けまくって、

正社員でもアルバイトでも

どっちでもいいから、

とりあえず仕事を決めてしまい、

それから、副業でアルバイトではない、

起業の準備をしたらいいと思うよ！」

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