「おお！朝早くから、すまんな。

で、早速なんだけど、

来週の水曜に行く取引先との

ゴルフの企画や準備は

どうなってる？」

「あっ、そうだった・・・」と、

ついうっかり忘れてしまっていた

という雰囲気を必死に誤魔化して、

なんとかしようと考えた末、

こんな事を言う。

「ああ、その件ですね。

ちょうど、今日部長に

報告しようと思っていたんですよ！

で、来週の水曜に行く

取引先とのゴルフの

企画や準備なんですが、

当日の天候も

取引先の方々の送迎の

準備や食事会する場所の予約も

全てしてあります。

また、取引先の方々の

好みの料理や酒なども

事前にリサーチしてありますので、

心配は無用です！」

すると、部長が安心した声で

こんな事を言う。

「やはり、お前に任せてよかった。

来週の水曜に行く

取引先とのゴルフで

我が社を

気に入ってくれさえすれば、

今後長く取引相手として

付き合ってもらえやすい。

しかも、

こんな不景気な世の中で、

競合他社と

仕事を取り合っている中、

我が社だけ特別に

話を聞く機会を与えて下さった。

いいか、よく聞け。

今回の仕事は

絶対に失敗はできない

大仕事だぞ！

だから、何が何でも

絶対に成功させる。いいな！！！」

かなり

気合いが入っているようで、

しかも、

「いいか、よく聞け。

今回の仕事は

絶対に失敗はできない

大仕事だぞ！

だから、何が何でも

絶対に成功させる。いいな！！！」

というような

胃が痛くなるような

プレッシャーを与えられ、

「はい、分かりました！」

と、返事をし、

静かにまたスーツの左ポケットに

スマホをしまう。

また、ついうっかり

忘れてしまっていたという

雰囲気を

必死に誤魔化して、

なんとかしようと考えた話で

その場をしのげたという事実と、

「実は話術の才能があった」

という、

「新たな自分の発見」を喜びつつ、

歩いて会社まで向かう。

そして、会社までの道のりで、

さっき部長に言った内容を

きちんと実現するための

計画を考えつつ、

当日の天候を

スマホアプリでチェックし、

晴れマークを見て安心する。

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